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2014年5月

園長の「給田だより」(2014年5月号)

2014/05/01 9:00:00

「5月は“ギュッと抱きしめて”の月!」
  ~それぞれの“母と子の物語” ~

 つい先日卒園したばかりのKちゃんのお母さまが、卒園式前のある日、お礼のお手紙を手渡してくださいました。以下は、その中のごく一部です。

 最初の数ヶ月は子どもも私も不安でいっぱいで、子どもが泣きながら行けば私も泣き、喜んで行くようになれば、それはそれで複雑な気持ちで泣いていた事を思い出します。今まで自分からは離さなかった手を、子ども自ら離し、こちらをふり返らずに入って行ってしまった後ろ姿は忘れることができません。「この子はこれから、私の知らない、自分の世界を作っていくんだ。」と思うと、成長の嬉しさと、何とも言えぬさみしさで、園まで送った帰り道を泣きながら帰りました。不安だった毎日も、優しい先生のおかげでいつの間にか子どもは幼稚園が大好きになり、私も安心して過ごすことができるようになりました。

 ありのままに表現された思い。母心(ははごころ)を教えていただく、貴重な宝物となりました。   

 新年度が始まり、徐々に慣れてきている子どもたちが多くいる中、何人かのお子さまは、正門前や玄関で、涙と泣き声のドラマを展開しています。新学期定番の風景と言えばそれまでですが、私は「ああ頑張っているなあ。子どもにとっては、泣くのが仕事。こうやって思いを伝えながら、少しずつ親離れしていくんだなぁ」と、子どもたちを見つめています。それと同時に、「いつかは必ず、後ろを振り向きもせず、幼稚園に入って行くようになります。あと少しですからねぇ」と、お母さま方の背中にエールを送っている今日この頃です。   

 やがて迎えるゴールデンウィーク、私たちにとっては、何と言っても「こどもの日」がメインということになるでしょう。皆さまはご存じでしょうか?「こどもの日」が、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」趣旨で設けられている、ということを。母と子の深い絆を感じずにはいられません。

 話は少しばかり遡りますが、園長就任直前の平成24年3月、事前準備のために登園した私は、その日たまたま実施されていた、教職員対象の「安全教育セミナー」に参加いたしました。しばらく経って、残されたメモ書きを、何気なく見ていると、そこには「ギュッと抱きしめて」という走り書きがありました。それは、「親子の触れ合いこそが何よりも大切で、しっかり抱きしめてあげることが子どもの安心感につながり、その後の危ない行動への歯止めになっていく」というメッセージだったのです。メモを見た瞬間、まるで啓示でもあったかのように、すぐに歌詞とメロディーが同時に浮かんできて、忘れないように必死で書き留め、できあがったのが、次の曲です。

ママの歌 

ギュッと抱きしめて

作詞・作曲 給田育孝

 

あなたに出会った あの日から
思いはずっと 変わらない
あなたのいのちは 私のいのち
ギュッと抱きしめて ほほえみかわす

  あなたの心が 見えなくて
  悔しい日々も あるけれど
  あなたの願いは 私の願い
  ギュッと抱きしめて 涙をぬぐう

 あなたの輝き まぶしくて
後ろ姿が 誇らしい
あなたの未来は 私の未来
ギュッと抱きしめて 幸せ祈る

  ギュッと抱きしめて 幸せ祈る

 通勤途中の一人アカペラで、歌い込みは万全(?)です。因みに、給田育孝(きゅうでん・やすたか)は、私のペンネームで、平成24年4月に姓名鑑定に基づき、自ら命名いたしました。その意味するところは、「給田で つ子どもは 親行」。何と私に相応しい、素敵な名前なんでしょう! (自画自賛そのもの? …その通り!)

 ところで、私のカラオケの十八番(おはこ)は、グレープ(さだまさし)の「無縁坂」。締めくくりの歌詞は、「ささやかな僕の母の人生♪」。私事で恐縮ですが、松山の施設に父と共に入所している83歳の母。宣告を受けた胃癌の進行が、少しでも遅いことを念じつつ…。合掌    

松森憲二拝

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