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園長の「給田だより」(2019年3月号)

2019/03/12 5:55:45

「“破顔(はがん)常笑(じょうしょう)”でいこう!」  佼成ママの“声に励まされて

先月号では、佼成パパからのメールやおたよりを掲載しました。バランスを考えて、というわけではないのですが、今月号では、佼成ママたちの声をお届けいたします。

2月上旬、発起人(?)Aさんの呼びかけで、某バス停メンバーによる「グループトーク」(仮称)が開かれました。(実は、園長就任初年度から、触れ合う機会の少ない通園バス利用のお母さま方とのコミュニケーションの場を、何とかして持ちたいと考えてはいましたが、諸般の事情で、具体化できませんでした。今回、その思いを受け止めてくださったのがAさんだったのです。)ジャンケンで勝った順に、というシンプルなルールで始まった自己紹介。普段同じバス停で顔を合わせるメンバーなのですから、互いのことを熟知しているかと思いきや、意外にそうでもなく、ほぼ「初めまして」の雰囲気が漂う園長室。その空気感が、逆に、その日に集ったメンバーに対する私の信頼感を増してくれました。というのも、バス停では、あくまでも子どもの送り迎えが中心であり、あいさつ程度の会話はマナーとして当然のことながら、「おしゃべりは厳禁!」が原則なのですから…。2時間弱の「グループトーク」、あっという間に過ぎてしまいました。

Aさんからは、終了後すぐにこんなメールが…。

今日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。とても楽しく、気づきの多い時間になりました!

いつもは、他愛もないことを子どもたちと一緒にワイワイしている○○(バス停名)メンバーですが、こうやって自分と向き合う時間を作り、それを共有することで、自分の悩みは相手から気づきをもらえること、相手の悩みは自分が乗り越えてきた試練かもしれないことなんだ、いうことがわかりました。お互いの子どもたちの様子を見ていることで、スッと腑(ふ)に落ちたので、「ママたちのお付き合いというのは、こういういいことがあるんだ!」と嬉しくなりました。

参加メンバーの一人Bさんは、卒園児及び未就園児のママさんであり、新年度からそのバス停を利用される方です。翌日のメールです。

佼成幼稚園には長女のときからお世話になっておりましたが、バス通園をしておりますとなかなか園長先生にお目にかかる機会がなく、ましてやちゃんとお話する機会など全くないまま卒園してしまい、残念に思っておりました。Aさんとの繋がりで、こうして園長先生とお話をする機会ができたことに感謝しています。

昨日は、バス停メンバーで普段はあまり話さない子育ての悩みから夫婦の出会いまで(笑)たくさんおしゃべりをしてしまったようで、大丈夫だったかな?と後からちょっと心配になりましたが、とても楽しい良い時間を過ごすことができました。貴重なお時間をいただきありがとうございました。 

長女が在園中のときから「給田だより」を毎回楽しみにしております。気になったところにマーカーで斜線を引き、今でも見返しています。特に私は、2016年3月号の「ママの笑顔は、子のパワー!」~子どもの不快感情とどう向き合うか!~に書かれてある《母親としての成熟度チェック》(※1)を時々見返し、その後に書かれている親子関係のよしあしは、「子どもが不快感情を抱えているときに、親の顔をみると安心するという関係性が構築されているかどうか」にかかっているという文に、これから思春期に向けて成長していく我が子たちとの関わりの中でも、心にとめておきたいなと思っています。これからも園長先生の「給田だより」を楽しみにしています。

※1の《母親としての成熟度チェック》につきましては、八つの項目のみを再掲いたします。三年前にお示ししたものですが、決して色褪(あ)せてはいないはず。ぜひ熟読(じゅくどく)玩味(がんみ)してみてください。

1 子どものケンカ・トラブルに口を出さない。

2 子どもの前で、(家族を含めた)他人の悪口を言わない。

3 子どもより先に、さわやかなあいさつをする。

4 子どもに注意しなければならないとき、感情的にならずに、目を見て、冷静かつ優しく話す。

5 子どもとしっかり向き合い、100%耳を傾けて子どもの話を聴く。

6 子どもは「生きているだけで100点満点」と思っている。

7 子どもの失敗や失態を、単に結果としてとらえるのではなく、プロセスとしてとらえている。

8 子どもの不快感情に向き合ったとき、笑顔でいられる。

年長組お別れ遠足の2月15日、遠足から帰り、 園長室のパソコンをチェックしてみると、C君のママから一通のメールが届いていました。C君が朝、幼稚園の玄関を元気に入っていく姿を見て、入園以来のことが脳裏を駆け巡ったとのこと。 次のような文章が綴(つづ)られていました。

(前略)「子育ては長丁場です。変化があってもなくっても、すべてそのときどきに必要なこと。何一つ無駄なことはありません。一喜一憂することなく、A君の可能性を信じ切って、明るく、優しく、温かく見守ってあげてください。」年少さんのとき、園長先生からメールでいただいたお言葉です。「信じ切って見守る…」、当時の私には、これを素直に受け止めることはとても難しいものでした。でも、この言葉に何度も勇気づけられ、励まされました。また、始業式に配付されたプリントには、「子どもの成長を信じて、我慢して待つ」「「子ども自身に、自分で乗り越えられる力がある」とありました。そのプリントと、園長先生にいただいた「○○の微笑み」(※2)は、台所のコルクボードに貼ってあり、一週間に一度くらいは心の中で繰り返していました。担任の先生からの言葉、園長先生からの言葉、始業式に配付されたプリント、「○○の微笑み」、その四つが3年間私を支えてくれました。佼成学園幼稚園に通うことができた息子は、本当に幸せだと思っております。

※2の「○○の微笑み」とは、一昨年度に開催したトークライブ参加者の皆さまに差し上げた「お札(おふだ)」(?)のことです。○○には、お母さまの名前が入っています。いつもお話しする「子育てにおける五つの“ないで”」(まわりと比べないで・できたことを見逃さないで・一人っきりで悩まないで・自分で自分を責めないで・あの日の感激を忘れないで)を踏まえ、「母子の幸せ」(延(ひ)いては「家族の幸せ」)を願ってお渡ししたものです。

ここで、お知らせです。今年度、佼成学園幼稚園の保護者代表として、世私幼PTA連合会会長の重責を担ってくださっている松本美穂さんが、J:COMテレビ(11チャンネル)の「世田谷人図鑑」という番組(さとう珠緒さんとの対談番組)に出演されることになりました。きっかけは、昨年11月の世私幼PTA大会での会長挨拶を、世田谷区議会議長の三井みほ子氏がSNSに取り上げられたこと。そこには、「松本美穂会長の挨拶が素晴らしく、私も20年前の子どもたちの幼稚園時代を思い出し、『そうそう、そうですよね~』と共感しながら聞かせていただきました」と書かれてあります。収録はもうすでに終了し、放映は4月1日~15日の1日3回(8:30~8:55、14:00~14:25、18:00~18:25)の予定。3回×15日、即ちトータルで45回も繰り返し放送されるのですから、超有名人になってしまいますね。今のうちにサインをもらっておかなくっちゃ…。

ところで、3月4日、私の身の上に…大変なことが起きました。ご安心ください、嬉しい出来事です。十(とお)書(しょ)家(か)の平野恭子さんから、ご自身ご揮毫(きごう)の「破顔(はがん)常笑(じょうしょう)」という色紙を頂戴したのです。「十書家」とは「いろんなものにいろんなものでいろんなものを書く人」という意味だそうです。添え状には、次のようなメッセージが…。

昨年、ひよこ組の表現活動の際に、子ども達のあまりの可愛いさと成長を感じ、思わず「これは、“破顔”ですね」と園長先生に声を掛けさせていただきました。そこから、子どもに向き合う時には、この喜びと驚きの心を忘れないように過ごそうと思う様になりました。もちろん、自分の状態如何でできないこともままありますが、少なくとも気持ちの上では「破顔一笑」のみならず、常に笑っていられたら、と思っております。      

この想いを表した「破顔常笑」を、拙筆ではありますが、色紙にしたためました。

色紙を手にして、まずは、墨一色ではなく何色かの色使いに、思わず心魅かれました。「破顔」についての一年前のエピソードは、その後も鮮明な記憶として残っており、いつの日か「給田だより」のテーマに取り上げたいと考えておりました。ついに、そのときがやってきたのです。それも、  「破顔常笑」という素晴らしい心構えに昇華した形で、私の眼前に現れてくれました。新時代の「子育て」「幼児教育」の指針にしたい! 

松森憲二拝

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