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2013年1月

園長の「給田だより」(2013年1月号)

2013/01/01 9:00:00

私がもらったお年玉
~「スポーツ観戦」に学ぶ~

 あけましておめでとうございます。日頃「給田だより」をお読みくださり、心より感謝申し上げます。時折聞かせていただく皆さまのご感想が、私にとって何よりものエネルギー源です。今年も、さまざまな出来事や学びをとおして、「心を耕す」ことに意を尽くし努力してまいります。なにとぞご愛読くださいますよう、よろしくお願いいたします。

 ところで、「スポーツの…」と言えば、やはり「秋」でしょうが、「スポーツの正月」もあり、というのが年明け早々の私の心境です。

 自称「スポーツ評論家」(?)の私は、文化系の部活動(演劇・音楽・弁論)をやってまいりましたので、体育系にはずっと縁がありませんでした。しかし、二人の息子たちが、中・高・大とそれぞれアメリカンフットボールとサッカーをやってきたこと、そして、前任の専門学校で、バレーボール部の部長をしていたことなどから、私なりではありますが、スポーツの素晴らしさを実感してきたつもりです。中でも、一昨年の夏、専門学校のバレーボール全国大会に学生たちと出場できたことは、私にとっても「青春」であり、その時の感動は、今でも私の涙腺を刺激します。

 そんな私が、2013年の最初に取り上げる話題は、「箱根駅伝」です。

 毎年、数々の感動を提供してくれる「箱根駅伝」。今年は何と言っても、日本体育大学を語らずにはいられないでしょう。昨年19位、しかも襷を繋げることができなかった同校が、30年ぶりに総合優勝したのですから。

 私が着目した1点目は、「3年生主将の存在」です。1年前の大敗北の時、別所健至監督は、みんなの前で悔し涙を流しました。そして、翌年のリベンジに向けて監督は、何と新3年生の服部翔大君を主将に指名したのです。常識的には、新4年生になる先輩にとっては耐えがたいことだったことでしょう。しかし監督は心を鬼にし、その方針を貫き通しました。そして、監督の涙に奮起した部員たちは心を一つにし、おそらくは予想する人も少なかった「優勝」という快挙を成し遂げたのです。

 私は、「異体同心」(身体は違っても心を一つにしなければ何事も成就しない)という言葉の重みを、改めて痛感しました。

 2点目は、「監督の1年間の指導内容」です。あいさつやトイレのスリッパをそろえる、といった生活の基本から始まり、練習前にグラウンドも清掃するなど、「当たり前のことをいかにきっちりやるか」に照準を合わせました。「見えないところを徹底することで、ダレた雰囲気がなくなった」とのことです。

 まさに、「脚下照顧」(自分自身の足もとを見よ)あるいは「凡事徹底」(平凡なことを非凡に繰り返す)という言葉の真価を見た思いです。

 これらの言葉は、まさに真理そのものであり、幼児教育のさまざまな場面にも通じる、いや活用すべき貴重なメッセージ(教え)であると思っています。

 58歳の私がもらったお年玉袋には、「異体同心」「脚下照顧」「凡事徹底」の三つの四字熟語が入っています。「評論」でなく、「実践」いたします。         

松森憲二拝

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