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2013年4月

園長の「給田だより」(2013年4月号)

2013/04/01 9:00:00

“こ・う・せ・い” ワールドへようこそ!」
~ 宣誓、我々佼成スタッフ一同は… ~

 いよいよ平成25年度の幕開けです。

 新入園児の皆さん、ご入園おめでとうございます。そして、新年中・新年長のお友だち、ご進級おめでとうございます。

 保護者の皆さまにおかれましては、希望の大きさと同じくらいの不安とともに、新年度を迎えられたのではないでしょうか。私も、同じ心境です。誰一人として、明日という日を生きた人はいないのですから、不安はつきもの。でも人間は、何らかの経験や叡智によって、歩みを進めていくのだと思います。  

 私に関して言えば…。何と言っても、380名の天使のような可愛い子どもたちがいます。さらには、親愛なる保護者の皆さまがそばにいてくださいます。そのことを心の支えとして、一歩一歩、歩んでまいります。

 就任一年目の昨年度は、さまざまな試行錯誤の中で、しばしば子どもたちに「みんなの一番の宝物は何?」と問いかけてきました。例えば、誕生会。私の出番がプレゼント贈呈の直後だけに、(中身がお皿であることを知っている)年中・年長の子どもたちからは、大きな声で元気よく、「オサラー!」という想定外の答えが返ってきたこともありました。子どもたちにしてみれば、その場の空気を読んでの名答(?)だったかもしれません。「正解は、“い・の・ち”だよ」と伝えてからは、その答えが大半を占めるようになりました。

 自分のいのち、他人のいのち、ひいては生きとし生けるもののいのちを尊ぶことこそが、宗教(=人間としての生き方)、そして教育(=人格完成が目的)の原点だと、私は信じています。今年度も、そのことを、繰り返し伝えていくつもりです。

 ふと、私の覚書の手帳(別名「ネタ帳」)をめくっていると、平成25年2月2日に記した、オリジナルの「あいうえお作文」が、目に飛び込んできました。

「こうせい」って何?

こ この世に

う 生んでいただいた

せ 世界でたった一つの

い い・の・ち

 「佼成」には、「人と人との交わりをとおして、人格完成(仏教では“成仏”という)を目指す」という意味があるのですが、子どもたちへのメッセージとしては、上記のほうがいいかなあ、と思っています。

 4月8日は、お釈迦さまがお生まれになった「降誕会(こうたんえ)」。一般的には、「花まつり」として、多くの寺院でもお祝いとともに、「甘茶かけ」の行事が行われます。

 お釈迦さまがお生まれになったとき、七歩歩いて「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」とおっしゃったというエピソードが残されております。それはもちろん史実ではなく、お釈迦さまだけが尊い、ということを意味しているのでもありません。「生きとし生けるものはすべて尊い存在である」ということを示唆しているのです。つまり、平たく言えば、「ダメな子は誰一人としていない」ということなのです。

 今年も、保護者の皆さま方にとって、「“愛おしくて愛おしくて仕方のない”大切な宝物をお預かりする」という聖業に、佼成学園幼稚園のスタッフ一同、誠心誠意努めさせていただくことを、お誓いいたします。

 毎月の「給田だより」が、保護者の皆さまとの“心と心の架け橋”になってくれることを、切に念じながら…。    

松森憲二拝

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