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2013年7月

園長の「給田だより」(2013年7・8月号)

2013/07/01 9:00:00

「ありがとう、佼成天使たち!」
  ~ 玄関は「第二の保育室」 ~

 まずは、嬉しいご報告です。

 6月号(5月20日発行)ご紹介したA君の「オハヨウゴザイマス」(口は確かにそのように動いているが、声が聞こえない)について、覚えていらっしゃいますか。6月号には、「A君の様子を見ていると、彼の声が私の耳に届く日も、もう間もなくのことと確信しています。その日が来るのを楽しみに、玄関で待ち続けたいと思います」と書いたのですが、ついに「おはようございます」の声となり、私の耳に届く日がやってきたのです。しかも、そんなに日が経つこともなく…。

 その経緯は、私の『三行日記』に、次のように記されています。21日「聞こえたような気がした」、22日「声が聞こえた。他の子はいないし…。確信となった」、23日「ちゃんと聴こえた」、24日「A君の声、確実に聴こえた」。

 漠然とした「間もなく」が、1週間も経たないうちに、日々の確実な変化(手応え)を経て、有り難い現実となりました。

 上に述べた事例は、玄関での子どもたちとのほんの一握りの出来事でありますが、玄関は私にとって、まるで「宝石箱」のような「第二の保育室」なのです。

 このような有り難い出会いは、決して朝に限ったことではありません。

 6月6日の降園時、お迎えのママを待つある年少の男児が、私にこう尋ねてくれました。

 「園長先生のお腹、どうやってふくらませているの?」

 「………」

 鋭い突っ込みに、いや、余りにも純粋無垢な質問に、私は、とっさに答えることができませんでした。未だに何と答えてよいかわからず、回答を探しているのですが、そのときの、ある種新鮮な感覚だけは、今も心に残っています。

 この原稿を書きながら、それは何なのだろう、と自分自身に問いかけるうちに、ふと心に浮かんだのが、「ありのまま」という言葉です。彼の質問は、見たままのことをストレートに表現し、しかも自らの疑問に余計な考えを挟まず(例えば、こんなことを聞いたら、園長は気を悪くするかなあ、とか)、まさに「ありのまま」そのものなのです。もちろん、彼がそのことを意識しているかどうかは別問題として、私の学びとしては、大変意義深いものでした。そのとき以来私は、良いとか悪いとかの価値観を超越した素晴らしい問いかけに、すっかり魅了されっぱなしです。

 ところで、私には、園長在職中、いや、いずれリタイアしてからも、決して忘れることはない至極の名言があります。それは、「園長先生、天使に囲まれた素晴らしいお仕事ですね!」というものです。この言葉を耳にしたのは、昨年の運動会の時のことで、丁度その日札幌からお見えになっていた、K君のおじいさまのお姉さま(ちょっと複雑?)が、運動会での子どもたちの様子をご覧になって、私に優しく語りかけてくださったのです。

 子どもたちとの毎日の触れ合いは、その名言を自ら確認し、確信し、確証を得るための営みに違いないと、日々実感しています。

 多くの佼成天使たちは、私の心を浄めてくれるために、毎日天から降りて素敵な宝石をプレゼントしてくれているのかもしれません。

 ありがとう、佼成天使たち!

 最後に、懸案の私のお腹に関してですが、何とか彼の疑問を解決してあげなければ申し訳ない、と本気で思っています。ぜひ皆さまのお知恵をお貸しください。  

松森憲二拝

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