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2013年11月

園長の「給田だより」(2013年11月号)

2013/11/01 9:00:00

「特集!これが佼成の運動会だ!」
  ~ “世田谷名物”を解剖する ~

 「今年の運動会、雨が降らなくて良かったですね!」多くの方々からそんな言葉をかけていただきました。昨年は、予報はずれの雨にたたられ、前代未聞の2日間にわたる運動会となってしまった、という事情があったからのことでしょう。

 昨年のことは、ことさら恨みがましく思っているわけではなく、私の中ではむしろ有り難い思いこそが残っています。昨年の閉会式後、「孫の運動会を、二度も楽しませていただきました」や「思い出に残る運動会になりましたね」などのお声を、新米園長は心温まる思いで聴かせていただいたからです。その感激は、いつでも蘇ってきます。にもかかわらず、です。つい私の口から出てしまったのは、「ハイッ、お陰さまで。昨年の倍返しです!」というものでした。無意識に、いや意識して流行に乗り遅れまいとの思いが、きっと働いたのでしょう。これも男の悲しい性(さが)でしょうか?

 今年の予報は、「降水確率0%」。運動会日和を絵に描いたような、雲一つない快晴に恵まれました。感謝の気持ちで一杯です。

 以下の6つの拙句は、運動会直後に詠んだもの。しばしの間、今年の運動会の振り返りに、どうかお付き合いください。

 「可愛さに 笑顔こぼれる 親子いも

 年少組の親子フォークダンスです。それぞれの親子の姿は、いかにも微笑ましく、各家庭での情愛そのものを垣間見ることができ、観客を思わず笑顔にしてくれる温かいひとときでした。   

 「玉入れの 勝利に歓喜 はじけ跳ぶ

 年中組の玉入れは、担任を含めて各クラスの子どもたちが熱心に練習に励んできたことをずっと観察してきましたので、結果については興味津々。どのクラスも頑張ってきただけに、玉のカウントを聴きながら、私の脳裏にあったのは、全クラスに勝利を!との、叶わぬ思いでした。

 「真剣さ みなぎるリレーに 涙雨

   &涙する 親の思いに もらい泣き

 年長組については、どのプログラムも見事な出来映えでした。その中でも圧巻だったのは、やはり園全体が興奮のるつぼと化した男女のリレーではないでしょうか。ゴールの瞬間の大歓喜、最下位のアンカーの懸命な走りへの大声援。閉会式の挨拶で、私は「降水率100%の涙雨」と述べましたが、決して偽りではないはずです。「よその子のリレーなのに、何でこんなに感動してしまうんだろう」という年中保護者の涙ながらのつぶやきを、私は決して聴き逃しはしませんでした。

 「今日までの 育った証(あかし)が 運動会

 今年の運動会のプログラムに、「1ヶ月を超える期間の練習の成果を発揮する最高の秋(とき)」という表現を用い、印刷に回しました。自分自身の浅はかな認識に気づくのは、直後のことでした。運動会は、決して1か月の練習の成果にとどまるものではないのです。子どもたちが生まれてからその日を迎えるまでの、成長の集大成なのです。昨年以来、私は佼成の運動会を、個人的に「給田オリンピック」と呼んでいます。私たちに感動を運んでくれるのは、子どもたち一人ひとりの『栄光の架橋♪』が、そこにあるからなんですね。

 「飛行機で じいじとばあば やってくる

 世田谷名物の佼成学園幼稚園の運動会は、名実ともに「家族みんなの運動会」です。これからも、家族の絆に貢献し、多くの方々に愛され続ける 運動会でありたい、と心から願っています。

 ところで、感動は、運動会当日にとどまりませんでした。年少組のY君。自分たちはメダルをもらったけれど、担任の先生にメダルがないのはかわいそう、ということで、運動会明けの日、何と、先生のためにメダルを作って登園してくれたそうです。(大拍手)優しいですね!嬉しいですね!

 最後に、告知です。11月15日、後援会主催で、映画『じんじん』の上映会が行われます。昨年のの同日は、絵本の読み聞かせに目覚めることができた、私自身にとっての「絵本記念日」。丸1年後のその日に、絵本の読み聞かせをモチーフとした映画を本園で上映していただけるというご縁に、この上もない幸せを感じ、感謝しています。

 奇しくもその日は、本園を創立してくださった庭野日敬先生の107回目の誕生日です。幼児期の大切さをお説きくださった今は亡き師のご恩に、多少なりともお報いできたら、と念じています。

 新たな感動を、ぜひご一緒に!  

松森憲二拝

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