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園長の「給田だより」(2017年秋季特別号)

2017/10/02 7:02:58

「 み~んな、みんな、頑張った!」  ~僕たち私たちの夏休みは…これだ!~

冒頭から恐縮ですが、「秋季特別号」は、紙面の許す限り多くのことをお伝えしたい、との切なる願いから、いつもの「給田だより」より小さな文字サイズとなっております。悪しからずご了承ください。

 

夏休みを迎える終業式の日に、私は子どもたちと三つの約束(「あいさつ」「げんき」「おてつだい」)をしました。

そして、保護者の皆さまには、7月14日付の手紙で「園長からの5つのお願い」として、次の5点をお伝えしたのです。

1)1学期の子どもの成長をかみしめ、その喜びを子どもに伝

えてあげてください。

2)二学期に向けての体力づくりに努め、二学期への期待感を高 

めてあげてください。

3)自然と交わりながら、夏の季節感を満喫させてあげてくださ

い。

4) 家族や親戚との交流をとおして、人間関係の原点となる“絆”

を深めてあげてください。

5) 子どもとしっかり向かい合い、保護者自身が「“子育て”の

幸せ」を再認識してみてください

さらに、保護者の皆さまには、「夏休みを振り返って」というタイトルで、「お子さまが頑張ったことや成長した姿をみせてくれたこと、あるいはお子さまを褒めてあげたこと等についてお書きください」というレポートをお願いいたしました。

夏休み明け、私はワクワクしながら、「夏休みを振り返って」の一枚一枚に目を通させていただきました。四百数十枚のレポート、量的にはもちろん、質的にもかなりの読み応えがあったことは言うまでもありません。しかし、そこには、軽快なタッチで綴られる生き生きとした子どもたちの姿、そして保護者の皆さまの温かい眼差しがありました。私にとっての “至福”のひとときになったのです。昨年までは、「長い夏休みも後半になると、どう触れ合いを持ったらいいかわからない」という声もちらほらあり、「保護者の皆さま方にとっての夏休みは、『修行』の期間なのかなあ」とも思っておりました。しかし、今年は、より前向きな課題でお書きいただいたためか、「大変 だった」の声はごく稀であり、感謝・感動・感激の声が多く見られたのが印象的でした。

「我が園の子どもたちながら、本当に良い子に育っているなあ」、そして「保護者の皆さまの眼差しが、何と明るく、優しく、温かいことだろう」というのが、読了後の率直な感想でした。さらには、発信源の私が言うのもおこがましいのですが、学年を問わず、子どもたちの中に「あいさつ」「げんき」「おてつだい」のメッセージがしっかりと浸透し、より具体的に実践してくれていることに、大きな喜びを感じました。子どもたちの素直さは、何度私の心を洗ってくれたかわかりません。

以下、「あいさつ」「げんき」「おてつだい」のそれぞれについて、大まかにまとめてみました。

【あいさつ編】

「あいさつ」では、家族間はもちろんのこと、親戚との間で交わす挨拶やご近所の方々への挨拶に大きな変化が見られ、いろいろな機会に褒めてもらった、という記述が目立ちました。喧嘩した後、素直に謝ることができるようになった子もたくさんいました。謝ることも、挨拶の一つですよね。

夏休みは、祖父母宅に帰省する絶好のチャンス。久々に会ったおじいちゃんおばあちゃんと、しっかり触れ合いを持つことができるようになったようです。一緒に庭の草むしりを しているときの、おじいちゃんおばあちゃんの何とも言えない微笑みが、目に浮かぶようです。お盆の時期でもあることから、ご先祖さまへお線香をあげる姿、また真心のこもった迎え火・送り火、そしてお墓まいりができたことに対し、「日頃の宗教的情操教育の成果」との評価をたくさんいただきました。

海外旅行の飛行機の中や帰省のための新幹線での中では、長時間にもかかわらず、しっかりとマナーを守って過ごすことができ、保護者の皆さんを安心させた、という報告も数多くありました。

【げんき編】

毎年のことではあるのですが、今年も年長さんの「お泊まり保育」は、子どもたちにとって、そして保護者の皆さまにとっても、大変意義あるイベントになったようです。子どもたちの自信は、その後の「一人での外泊」にもつながり、たくさんの貴重な経験の起爆剤になったようです。中には、1か月もの間 親と離れ、祖父母、曾祖母、親戚の人たちと過ごした強者(つわもの)も。親元を離れてと言えば、年長に限らず、1泊もしくは2泊のキャンプ(カワイの合宿)にチャレンジした子もいたようです。

いろいろなことへの挑戦で目立ったのは、保護者にとっては涙が出るほど嬉しい「トイレへの挑戦」、そして「自転車への挑戦」です。7月のカレーパーティーをきっかけに、野菜を口にすることができた子、お料理の手伝いに目覚めた子、などもたくさんいました。兄姉の隣にちょこんと座って文字の練習を始めた子、「一日一冊」を目標に掲げ夏休み期間中に50冊を読み終えた子など、子どもたちのエネルギーは全開だったようです。

幼稚園のお友だちはとは、一緒に遊んだり、BBQも楽しめたようですね。お小遣いをもらい、しっかり買い物ができた、という子もいました。虫や植物のお世話は、いのちの尊さを感じるきっかけにもなったようです。夏休みモードではなく、早寝早起きの良い生活習慣を、堅実にキープできた子もいました。

【おてつだい編】

「おてつだい」に関して印象的だったのは、保護者から言わなくても、自分からお手伝いしたいという気持ちで「何かお手伝いすることはない?」という子がかなりいたことです。

家事では、洗濯物干し、洗濯物たたみ、お風呂掃除、トイレ掃除、食事の支度、お皿洗いなど、多岐にわたっていました。お母さまがすれば手間なくできるわけですが、子どものやる気を大事にし、見守ってくださったお陰さまで、人に喜んでもらえる体験を、たくさんすることができたようです。

小さな子のお世話も、上手にしていたようですね。年下の子に絵本の読み聞かせなどをしながら、しっかりお兄ちゃん、お姉ちゃんができ、保護者の皆さまはとても助かったとのこと。年中・年長さんは、幼稚園での異学年交流の体験がベースにあり、年少さんが弟や妹のお世話ができたのも、幼稚園の年中・年長さんがモデルだったようです。

幼稚園が配付した「夏のカレンダー」が、かなり有効活用されていたようで、何かのときのシール貼りは、子どもたちのモチベーションを高めてくれていたようです。

以下の記述は、長短の差こそあれ、あくまでも私の独断と偏見によりチョイスした「生(なま)の声」です。執筆者の了解を得て、表記上若干の変更はいたしましたが、内容はいずれも100%オリジナルのまま。「成長」「幼稚園」という文字が散見するのは、園長としての性(さが)かも?いや、きっとそうに違いありません。

マの誕生日の機会に、息子にとある事実を伝えました。ママのお腹に赤ちゃんがいること。赤ちゃんというものは、必ずしも無事に産まれてくるとは限らないということも。予定日は〇月〇日です。雨の日、自転車に乗る時には、「ママ、ゆっくり、気をつけてね。お腹に赤ちゃんがいるんだから」と心配してくれたり、荷物を持ってくれたり、時々、お腹をなでてくれたり。これまで周りの友だちには、次々と下の子が産まれ、「僕も赤ちゃん欲しいなぁ~」と言っていたので、妊娠をとても喜んでくれました。(年長男児)

手伝いが、とっても上手になりました。起きてからすぐに、一歳半の弟のお世話をしてくれます。オムツ交換、洋服を選んで着替えのお手伝いは、夏休み中、毎日自分から進んでやってくれました。とっても楽しそうにやっていて、お姉さんになったんだなぁ、と実感しました。「幼稚園に入ったら、自分でやるんだよ」と声をかけながらお手伝いしているのが、少し面白かったです。今まで以上に、弟と娘が  仲良しになりました。(年長女児)

日も前から楽しみにしていたお友だちとのお出かけの日のことです。一日仲良く楽しそうに遊んでいたのに、「さよなら」の直前、突然けんかとなりました。何度となく言い聞かせても謝ることができず、そのまま帰ることになりました。ところが帰宅して間もなく、今度○○くんに会ったら謝る。ごめんねって言う」と、子ども自身から言ってきました。帰り道にいろいろなことを考えて、自分で納得して謝ることを決めたのかなあ…。身体も大きくなったけれど、心も大きく成長したのだと、気づかされた夏休みでした。(年長男児)

っという間に、夏休みが終わってしまいました。娘には絵の教室に通わせました。本人はとても興味津々。ある日のレッスンでは、「食卓の料理」という課題でした。自由創作の絵なので、子どもたちはそれぞれ描いている内容が違います。娘が描いた絵は、料理以外に食卓の周りに人物も描いていました。「誰ですか?」と先生から聞かれ、「私と私のパパとママで、食事は家族みんなで食べるともっとおいしくなるんだ」と、娘が答えました。隣で聞いていた私は目頭が熱くなりました…。娘の成長を実感した瞬間でした。(年長女児)

休みの中で一番うれしかったことは、「ママが何かあっとき、あなたのことは大切に守ってあげるからねぇ」と話したら、「いや、それ反対」と言われ、「?」と思って「どういうこと?」と聞いたら「ぼくがママを守るの!」と言われ、涙が出るほど嬉しかったです。子どもは日々成長しているなあ、私も頑張らないと、という気持ちにさせられました。身長もグッと伸び、成長が感じられる良い夏休みでした。

(年中男児)

自身改めて気付いたこと。それは私が笑っている時ほど、家族がうまく循環しているということ。怒っている時や余裕がない時は、やはりいろいろな子どもの成長を見逃してしまうことが多く、さらには子どもを萎縮させてしまうということに、改めて気付かされました。なかなか難しいですが、今後はなるべく笑顔でいられるようにしたいと思います。(年中女児)

祭りで「おこづかい」というかたちで千円を渡して「好きなものに使っていいよ」と言って~みたら、弟の分まで買っている姿に、思いやる気持ちが感じられ、嬉しく思いました。(年中女児)

の中で印象に残ったのは、花火をした時に、花火のけむりが空に上がっていくのを見て「仏さまに届くかなあ」と言ったひとことでした。幼稚園生活での教えがしっかりと子どもに根付いているのを実感しました。(年中男児)

月末に娘の祖父が倒れてしまい、頭を強打してしてしまいました。脳に大きなダメージを受けてしまい、自分のことも家族のこともよく分からなくなってしまったじいじですが、孫たちの声にはとてもよく反応することが分かりました。ICUには子どもが入ることができないため、録音した孫の声を聞かせると、まばたきをしたり、軽く頷いたりしました。特に娘の歌う『スマイル音頭』(※)が好きなようで、「今日も生きてるありがとう」の歌詞がじいじに生きる力を与えてくれているようでした。夏休みに入ってからは、一般病棟に移ることができたので、子どもたちとたくさん面会に行きました。じいじのために絵を書いたり、耳の悪いじいじに聞こえるよう大きな声で話しかけました。私たちの話しかけには反応の悪いじいじも、孫の声は熱心に聞いていました。外出すると、「じいじも連れて来てあげたいね」、家で食事をすると、「じいじとごはん食べたいね」と言います。家族を大切にする気持ちがこんなにも育っていたことに驚くとともに、とても感動いたしました。じいじもリハビリを受けて少しずつ回復しています。また孫と遊ぶことができるよう、じいじを家族で支えていきたいと思います。(年少女児)

人の実家に帰った時は、じいじとばあばにいろいろ教えてもらいながら、毎日ご先祖さまに手を合わせ、夜は浴衣でうちわを持って『スマイル音頭』(※)を踊ってみせて、幼稚園での教えが身についてきているんだなあ、と思いました。(年少女児)

※上の二文に出てくる『スマイル音頭』は、「お盆まつり」の際に年少組が踊ったゆずの曲。サビの歌詞は、以下のとおり。

🎵世界が平和になるように みんなで仲良く手をつなぎ

今日も生きてるありがとう にっこり笑ってスマイル音頭🎵

ブトムシをふ化させ飼っているのですが、「カブトムシにえさをあげるよ!」と誰よりも率先して、カブトムシのお世話をやってくれました。死んでしまったカブトムシには「今までありがとう。天国で元気でね。寂しくなったら、赤ちゃん(卵)になって戻って来ていいからね!」と手を合わせていました。これは、幼稚園で命の大切さや感謝の気持ちを学んでいる賜物だなあ、と感じることができました。  (年少男児)

までより、外で人に会った時の挨拶がしっかりできるように。それまでは恥ずかしがって口の中でモゴモゴ言っていたのが、ちゃんと口に出して言えるようになりました。幼稚園で一学期の間たくさん挨拶をして、挨拶の大切さがわかるようになったみたいです。(年少女児)

 

子どもたちは、通園カバンにお土産話をたくさん詰め込んで、幼稚園に戻ってきました。楽しかったことの一つひとつが、二学期からのパワーの源となっているのでしょう。

松森憲二拝

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