園長ブログ 7月のたより
「なにもなにも、小さきものはみなうつくし(可愛らしい)」と清少納言は『枕草子』に書き残しました。「雀の子」や「二つ三つばかりなるちご」の動き「雛の調度」「葵のいと小さき」がかわいらしいとは、なるほどと合点します。一千年前の清少納言の感覚は今なお新鮮です。
本園の子どもたちも小さきものです。その指の動き、高い声、しぐさ、真剣な表情など「みなうつくし」です。さらに小さな園児用の椅子、机、靴、お弁当箱なども可愛らしい。
私によく近づいてくる年少テレサ組の女の子に担任の先生が「園長先生のどこが好き?」と聞いたところ、「園長先生のお顔と肩」という答えが返ってきたそうです。小さな女の子がどのような感覚を経て私の「お顔と肩」を好んでくれたのかを想像してみましたが、よくわかりません。
幼稚園の9時から14時まではあわただしくも幸せな時間です。小さき子どもたちと共に過ごせることは、まことに「ありがたき(めったにない)」ことです。