平成29年9月5日 読書会
2017年9月12日 (火)
【5年生,図書科】
9月5日火曜日、5年生の読書会が行われました。
講師 古代技術史研究家 関根秀樹先生 テーマ『火と人間の文化史』
先生の著書の中から、『月刊 たくさんのふしぎ通巻282号 火』(福音館書店) を取り上げ読書会を行いました。この本の中には、古代の火おこしの方法や、火と人間との関わりが描かれています。
はじめに、色々な部族の火おこしの方法をスライドで見せていただきました。今でも生活の中で火おこしをしている部族の存在を知り、わたしたちの暮らしと比べると驚きの連続でした。しかしもっと驚いたことは、関根先生は、見せていただいた部族よりも早く火おこしができるということでした。
「やってみましょうか!」という先生の声に歓声があがりました。
力が弱い人でもできる方法で挑戦しました。 火おこしの道具は全て関根先生の手作りです。
火種ができると、麻ひもをほぐしたものに火種をくるみます。それが空気とよく触れるよう、大きく円を描くように腕をまわすと火がつきます。
江戸時代の旅人が持ち歩いていた火打ち石と、現代版の金属製のものも見せてくださいました。着火剤がなくても火がつくこと自体に、現代っ子の5年生はただただびっくりするばかりでした。
様々な古来の楽器も紹介してくださいました。人間が火を手にいれたことによって作ることができた焼き物の笛やうなり木。生活の中で身近なものを使って音をならし、身を守ったり、呪術に使ったりした楽器の役割。火や自然と共に、様々な文化を築いてきた人類の歩みにふれることができました。
先生は大変な読書家です。本で読んだこと、調べたことを実際にやってみる、体験してみる。
先生の知識は読書と体験によって培われたものです。古代技術に触れることで、人類が歩んできた道のりやその豊かな知恵に気づくことができます。
一冊の本から読みとった知識と共に、そこに描かれてる世界を自分の世界と共有しながら、世の中にある「たくさんのふしぎ」を追求する感性を養っていってほしいです。