5年生 国語
そうだ うれしいんだ 生きるよろこび
たとえ 胸の傷がいたんでも
「アンパンマンマーチ」の一節です。
教科書の改訂に伴い新しく登場した単元に、やなせたかしさんの伝記があります。
子ども達にとってのアンパンマンは、幼児期の記憶がよみがえる親しみのあるキャラクターである一方、作者のやなせたかしさんのことはあまり知りませんでした。
教科書を読み進めていく中で、やなせたかしさんの生い立ちや戦争体験がその後の生き方や考え方に影響を与え、アンパンマンを生み出す原動力になったことを知りました。
アンパンマンマーチの歌詞を読み込んだり、インターネットの力をかりてやなせたかしさんについて調べたことをみんなで共有したりする活動を通じて、本当の正義とはなにか、本当の勇気とは何か、本当のヒーローとは何かを11歳なりに考えるきっかけとなりました。
92歳でありながら東日本大震災で傷ついた人々のために全力を尽くし生涯を終えられたやなせたかしさんの姿に、これまでの印象とは異なる愛着と理解をもってアンパンマンの絵本をめくりたくなった子ども達もいたようです。昔使っていたお弁当箱やおもちゃの楽器がいとおしく感じるようになったと話す子もいました。
伝記の中の人物の生き方が、なぜ自分の心を動かすのか。図書室にある他の伝記にも興味を広げ、たくさんの生き方を学んでいく時間をアンパンマンが届けてくれました。